斜視・斜位について

あなたの眼これだけは知っておきたい眼の病気

物が見える仕組み 屈折異常について

屈折異常の分類少し難しい話になりますが、眼の屈折について説明してみましょう。
眼は一種の集光レンズの働きをしています。
眼に入ってきた光は、角膜と水晶体というレンズで屈折され、眼の底に『像』を作ります。
眼の底には網膜というフィルムに相当する感光膜があり、この情報を脳に伝えることで、物が見えるのです。
眼の屈折の狂い(近視・遠視・乱視)がなければ、この像はピントの合った状態になっています。
私たちの眼は、正常な状態(正視)だと遠くに合うように作られていますから、このままでは、近くがはっきり見えません。
そこで『調節』といって、水晶体をふくらませることで近くにピントを合わせます。
このように正常な場合は、メガネなしで1.2の視力が保てますし、近くも自分の力で楽々見ることができるのです。

斜視とは

斜視の分類
両眼の視線が一点に向かわず、片方の眼は目標とする方向に正しく向いているが、もう片方の方が目標とする方向からずれている状態です。
両方の眼でものを見ることができていないため立体的にものを見ることができなくなります。
目のずれる方向によって内斜視、外斜視・上下斜視があります。
眼球を動かす筋肉や神経に異常がある場合、乳幼児期に強い屈折異常が治療されず放置された場合、眼球を強く打撲した場合の外傷など、さまざまな原因があります。
対処法は、斜視用のプリズムメガネでの矯正や、アイパッチなどで片眼を覆い、斜視眼だけを使用することにより神経を刺激する方法、大型弱視鏡などの器具を用い、眼そのものの機能を強化する視機能訓練、手術により眼筋を調整することもあります。
両眼視能力は乳幼児の頃から発達し、5・6歳までには完成されますので、斜視の疑いを感じたらすぐに治療を開始することが重要となります。

斜位とは

斜視とは違い、神経を集中することで両眼の視線を目標に合わせている状態です。
したがって、通常状態で視線のずれはなく、両眼視が可能ですが、片方の眼を隠して 両眼の関係を断ち切った時に、隠した方の眼が斜視のように外れます。
斜視と同様に、目のずれる方向によって内斜位、外斜位・上下斜位があります。
眼位の基本的なずれが原因で、きちんと調べると、ほとんどの人間に軽度の斜位が認められます。
程度が強いと、絶えず緊張状態で物を見ているため、眼が疲れやすく、視線のずれの程度が強いと、物が二重に見えることもあります。
症状がなければ放置して差し支えありませんが、程度が強い場合は、手術で眼筋のバランスをとる方法、またはプリズムメガネを使用し、視線のずれを調整する事により対処します。